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ゴルフの幾何学 序文の図2.png

ボールを突く位置

ゴルフと幾何学の関係について

​​ゴルフの基本は幾何学から始まる

読者の中には、ゴルフに幾何学がどうして関係があるのだろうと思う方もいるかも知れません。しかし、ゴルフと幾何学は、関係大有りなのです。少なくともゴルフで上級者を目指す人は、最低限の必要な幾何学は、理解していないとなりません。

近年、トラックマンやフライトスコープのようなゴルフ用の測定機の普及によってインパクト時のクラブヘッドの挙動と打ち出されたボールの飛び方の関係が数値で計測可能になりました。これによって、後述のCPシフトが測定値として認識できたのです。 また、アメリカの物理学者セオドア・ヨルゲンセンによってD Plane理論が提唱されボールのスピンと曲がり方の関係が定式化されました。 それまでは、ボールには、バックスピンだけでなく、横方向のスピンが存在し、それがボールを曲げていると信じられていましたが、この理論でボールのスピンは、バックスピンだけで、そのスピンの傾きによってボールが曲がると理解することが正しいということになったのです。しかし、このD Planeと言う理論は、あくまでボールが空中を飛んでいる場合に適用される理論で、ボールがグリーン上を転がっている時には、全く適用できません。

  ( D Plane理論の詳細については、多数の図書で紹介されていますので、ここでは、割愛します。)

パットでは、ボールをカット打ちしてスライス回転をかけるとボールは、フックしていくのです。これは、ビリヤードでは、常識になっていることで、実際、ビリヤードでは、ボールに横回転をかけてカーブさせる技術がありますが、ボールを左に曲げる場合は、キューでボールの左側を突いてゴルフで言うスライス回転をかけます。ショートパットで引っかけて左に外すことがありますが、ボールをカット打ちしてスライス回転が掛かったために、フックしたことが原因かも知れません。

 

 

パターでは、もっと簡単なことも理解していない人が多いのです。それは、球と平面がぶつかる場合、平面の角度が変わらなければ、球での平面にあたる位置は、一定であると言うことです。よくパターでアッパーブローに振ってボールの上側を打つと言う人がいますが、これは、パターヘッドの角で打たない限り幾何学的には、有りえないことなのです。ウェッジでリーディングエッジで打つブレードショットと言う技術はありますが、パターヘッドの角で打つ人はまずいません。図1を見て下さい。ボールがパターフェースに当たる限り、フェースに当たるボールの箇所は、ほぼ真横、つまり、ボールの真ん中(赤道にあたる部分)に当たり、ボールの赤道より上や下に当てるには、パターの角で打たないと、そんなことは、起らないことがわかります。 これは、小学生でもわかる幾何学です。しかし、プロの中にも「パターヘッドをソールした状態で打ってしまうとフェースの芯がボールの下部に当たるでしょう。」と言う人がいます。フェースの芯がボールの下部にあたることは、ボールを下から打たない限り起りえないのです。球と平面が接する場合、球のある一点で接するからです。

このようにゴルフと幾何学は、大いに関係があり、その関係を理解することは、ゴルフの技量を向上すること役立つことがあるのです。 次章以下、ゴルフに関係のある幾何学を見て行きましょう。

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